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【総括】
査証発給件数(上海及び華東地域)は8月まで震災前の2010年を超える勢いであったものが、9月に激減している。特に9月の団体観光査証については2010年比で約5割減。
9月13日~20日の間に70団体、約1500件の査証申請のキャンセルがあった模様。
中国政府が旅行会社に対して日本への旅行自粛勧告したかということについては、正確には不明。
現地関係会社等からは航空、クルーズ便の減便、団体観光客の減少が目立ち、日本から上海への出張者も減少、実施予定だったプロモーションやレセプション等は軒並みキャンセルや延期。11月からメディアへの露出は戻りつつあるとのこと。日本への旅行会社やメディア等の招聘については予定通り実施できている。
JETROによる企業へのヒアリングによれば、取引に関する事項(入札、新規取引開拓)については依然として厳しいとの報告があるが、それ以外は従前と変わらないとのこと。関係の企業で事業撤退を表明している企業はないが、リスク回避に東南アジアへの展開準備を始めたところも若干ある模様。
【デモなどの動き】
■ 総領事館前のバリケードは10月12日(金)に撤去される。したがって、全くの通常通りの状況になった。他方、10月11日に現地法人の駐在員と中国人社員数人が、中国人数人から日本料理店で殴られたりビール瓶を投げつけられたりする被害も報告されるなど(いずれも軽傷)、何かがきっかけとなって中国人の内面のくすぶりが表出するという事態も否定できないので、依然、在中の日本人は注意をする必要がある。
【日本製品不買の動き】
■市内のデパートや小売店の状況
・国慶節期間(9/30~10/7)、上海市内では南京歩行者街は970万人の人手だったが、
そこにある日系大手アパレルチェーンも外食チェーンも問題なく営業され、人で賑わっていた。小売店の売り場スペースから、日本製品がなくなるということは今のところ目にしないが、国慶節期間(9/30~10/7)に限っていえば、テレビ販売に関しては日系メーカーのテレビが国慶節期間で大幅に落ち込んだという報告もある。(前年比40%以上のマイナス、中国の調査会社の調査なのでどこまで信用していいかはわからない)
・湖南省長沙市では、通りに面する日本料理屋や看板を隠して営業。ショッピングモール内の日本料理店は通常営業。ただし、お客の入りは通常の半分以下で徐々にではあるが、国慶節終盤から持ち直しの兆しが出てきているようだ。(中国・湖南省長沙市)
・高級デパート、大手スーパーでは日系製品の棚外しなどもなく平常どおりの模様。
・電器量販店・デパートなども日本製品は平常通り売られている。通りに面する日系
テナントは窓に中国国旗を貼っているところもあった。
・日系コンビニでも日系製品通常通り売られている。
・その他、ショッピングモールやローカルスーパー等で棚外しの報告があるが目に見えての変化は今のところ大きいとは思えない。
■日本料理店の状況
・客足はほぼ平常に戻っている。一般的に中国人客が6割ぐらいいる。
■日系化粧品メーカーの情報
・ショッピングセンターでの棚落ち(棚から商品が卸される)が発生しているとの
情報もあったが、上海市内の有名どころの高級百貨店やスーパーでは問題なく売られている。
■日系飲料メーカーの状況
・日系小売店の休業や日系以外のスーパーによる製品排除の動きも多少あり、納品不可及び減少という状況(中国国内)
・発注取り消し、返品等もあり(中国国内)
■日系食品メーカー
・日本製品だとわかると購買をやめる人がいて、売上げ20%減少した店もあったが
国慶節期間を経て回復基調。
・在庫がなくなったら日本製の商品は仕入れないと連絡があった。
■日系家電メーカー
・政府系の入札から排除された。(中国国内)
・電機量販店からの棚外しの報告もあったが、上海市内では変わらず日系製品が売られている。
■日系機械部品メーカー
・日系であるという本来のセールスポイントをアピールできなくなった
■その他
・中国不動産会社5社が日本製品の不買を発表。(中国国内)
・商品発表イベントの延期
・イベントの現地補助要員が集まらない。
・地下鉄2号線の中山公園駅構内では日系企業のカメラ販売の有名日本人女優を使ったキャンペーンポスターがほぼすべての柱に大々的に貼られている。
・流通面では日系大手運輸会社も日系自動車の取り扱いから欧米自動車の取り扱いへ
シフトを始めているという情報。
・医薬会社が日本製品を不買の動き(北京)
■通関の状況
・特段の影響は報告されない。
・一般の荷物の輸送も影響がなく見える。
■一般消費者の状況
・自動車の新規購入・買い替えなどの際に日系自動車を購入するかどうかについては明 らかに迷いが生じているようだ。これは、西安市で日本車に乗っていた中国人男性が襲われ半身不随になる事件を始め、国内各地で日本車というだけで所有者に関係なく相次いて壊された事件が影響している。(中国の某メディアの世論調査では6割が日本車のマイカー選びに影響という結果もある)
・よほどの格安ローカルの店でない限り、日本製品抜きの売場など考えられないという意見もある。
■ホテル業界の状況
・日系ホテル、ローカル系ホテルとも日本からの観光客が激減している。
・日本関係のセミナー等の中止。
■観光・旅行の状況
・査証発給件数(上海及び華東地域)は8月まで震災前の2010年を超える勢いであったものが、9月に激減している。特に9月の団体観光査証については2010年比で約5割減。9月13日~20日の間に70団体、約1500件の査証申請のキャンセルがあった模様。
・旅行会社の訪日旅行中止の動きについては、政府の明確な指示があったとは確認できない。
・2012年9月の中国からの日本への訪日旅行者数123千人で2010年同月比10.1%減(2011年は震災年のため比較にならない)1月~9月の累計では1,262千人で同7.1%増である。
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