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【総括】
デモの動きはなく、当局も10月12日にバリケードなどの警戒体制を解除した。他方、11日に現地法人の駐在員と中国人社員数人が、中国人数人から日本料理店で殴られたりビール瓶を投げつけられたりする被害も報告されるなど(いずれも軽傷)、何かがきっかけとなって中国人の内面のくすぶりが表出するという事態も否定できないので、依然、在中の日本人は注意をする必要がある。
一方、不買に関わる動きについてはすべての日本製品に対して不買心理が働いているとは言い難い。ただ、上海人でも、自動車の新規購入・買い替えなどの際に日系自動車を購入するかどうかについては明らかに迷いが生じているようだ。これは、西安市で日本車に乗っていた中国人男性が襲われ半身不随になる事件を始め、国内各地で日本車というだけで所有者に関係なく相次いて壊された事件が影響している。(中国の某メディアの世論調査では6割が日本車のマイカー選びに影響という結果もある)こうした動きにより、日系自動車の関連メーカーなどへの今後の影響が気になる。
小売店の売り場スペースから、日本製品がなくなるということは今のところ目にしないが、国慶節期間(9/30~10/7)に限っていえば、テレビ販売に関しては日系メーカーのテレビが国慶節期間で大幅に落ち込んだという報告もある。(前年比40%以上のマイナス、中国の調査会社の調査なのでどこまで信用していいかはわからない)
日本料理店などは客の入りが戻った感じ。中国人が5割~6割を占めている。
一番の影響はやはり観光業界への影響だろう。既に日本でも多々報道されていると思うが、こちらでも上海及びその周辺都市の旅行社の日本行きはほぼすべて自粛している様子である。
【デモの動き】
■ 10月15日現在、デモの動きなし。
総領事館前のバリケードは10月12日(金)に撤去される。したがって、全くの通常通りの状況になった。
【日本製品不買の動き】
■市内のデパートや小売店の状況
・国慶節期間(9/30~10/7)、上海市内では南京歩行者街は970万人の人手だったが、
そこにある日系大手アパレルチェーンも外食チェーンも問題なく営業され、人で賑わっていた。
・湖南省長沙市では、通りに面する日本料理屋や看板を隠して営業。ショッピングモール内の日本料理店は通常営業。ただし、お客の入りは通常の半分以下で徐々にではあるが、国慶節終盤から持ち直しの兆しが出てきているようだ。(中国・湖南省長沙市)
・高級デパート、大手スーパーでは日系製品の棚外しなどもなく平常どおりの模様。
・電器量販店・デパートなども日本製品は平常通り売られている。通りに面する日系
テナントは窓に中国国旗を貼っているところもあった。
・日系コンビニでも日系製品通常通り売られている。
・その他、ショッピングモールやローカルスーパー等で棚外しの報告があるが目に見えての変化は今のところ大きいとは思えない。
■日本料理店の状況
・客足はほぼ平常に戻っている。一般的に中国人客が6割ぐらいいる。
■日系化粧品メーカーの情報
・ショッピングセンターでの棚落ち(棚から商品が卸される)が発生しているとの
情報もあったが、上海市内の有名どころの高級百貨店やスーパーでは問題なく売られている。
■日系飲料メーカーの状況
・日系小売店の休業や日系以外のスーパーによる製品排除の動きも多少あり、納品不可及び減少という状況(中国国内)
・発注取り消し、返品等もあり(中国国内)
■日系食品メーカー
・日本製品だとわかると購買をやめる人がいて、売上げ20%減少した店もあったが
国慶節期間を経て回復基調。
・在庫がなくなったら日本製の商品は仕入れないと連絡があった。
■日系家電メーカー
・政府系の入札から排除された。(中国国内)
・電機量販店からの棚外しの報告もあったが、上海市内では変わらず日系製品が売られている。
■日系機械部品メーカー
・日系であるという本来のセールスポイントをアピールできなくなった
■その他
・中国不動産会社5社が日本製品の不買を発表。(中国国内)
・商品発表イベントの延期
・イベントの現地補助要員が集まらない。
・地下鉄2号線の中山公園駅構内では日系企業のカメラ販売の有名日本人女優を使ったキャンペーンポスターがほぼすべての柱に大々的に貼られている。
・流通面では日系大手運輸会社も日系自動車の取り扱いから欧米自動車の取り扱いへ
シフトを始めているという情報。
・医薬会社が日本製品を不買の動き(北京)
■通関の状況
・特段の影響は報告されない。
・一般の荷物の輸送も影響がなく見える。
■一般消費者の状況
・日本車については持っているだけで(デモ隊とか反日の中国人に)壊されるという印象が強いため、新規、買い換えの際には買い控えの心理が働く。
・よほどのこだわりがない限り、代用が効くものは無理に日本のものを買わなくてもいいという動きはあるだろう。
・よほどの格安ローカルの店でない限り、日本製品抜きの売場など考えられないという意見もある。
■ホテル業界の状況
・日系ホテル、ローカル系ホテルとも日本からの観光客が激減している。
・日本関係のセミナー等の中止。
■観光・旅行の状況
・現状、上海市旅遊局からの訪日旅行取扱自粛勧告はない。
ただ、「訪日旅行は催行して良い、但し、旅行者の安全を確保すること」という
通告があり。中国の国家旅遊局が同様の通告をしており、それを受けたものと思われる。
・個人観光や商務団等は、「来る者拒まず」で、顧客がいれば手配・販売はしているが、数は多くない。また、キャンセル料を徴収しない旅行会社も多いため、キャンセルも相次いでいるのが現状。
・9月21日、無料新聞「時代報」によると、推計では10月国慶節の期間、日本線の搭乗率は60%、その後は40%を維持するのも難しいだろうとのこと。9月から11月までの、日本からの団体客のキャンセル数は3800席、同じく中国からの団体客のキャンセル数は15000席と報道。
・国慶節休みの中国人の海外旅行先ベスト10に日本外れる。日本への旅行客のキャンセル人数10万人を超えるとの報道。
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